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1.ミネラル概論

ミネラルの働き

ミネラルは食味向上に役立ったり、植物生理を活性化させたり、重要な働きがあります。サツマイモにしっかりミネラルの吸収を計ると、食物繊維が多くなり、実にクリーミーで発色の良い甘い芋ができたりします。

マグネシウムは葉緑素の主原料で、光エネルギーを受け止めるアンテナの働きがあります。

カルシウムはホウ素と共に細胞壁を固め、丈夫な植物を育て病害虫の侵入を防ぎます。昔の日本人の骨が丈夫だった理由は野菜 (アブラナ科)を食べてきた為と思います。(菜種はホウ素欠乏が出やすいことで有名で、元々ホウ素含有率が高い。)

イオウは酵素の触媒ですが、毒消し作用があり、髪の毛でヒソやアルミ、麻薬なども調べることができるのも、イオウがこれらを固定化させ、不活性にする為と思います。髪の毛や爪は結合の深いケラチン蛋白で、燃やすと崩れ、イオウの臭いがするのもそのためです。

塩素は植物に必用ないとされていますが、結構吸収されています。加里の代わりに細胞液のイオン濃度の調節や光合成の触媒として働きます。みかん畑など海辺の畑でおいしい物が収穫されるのも、塩素が関係しています。

ケイ酸は稲科植物などを丈夫に育てたり、光合成効率を高めたり、病害虫に抵抗力を付けたりします。「抵抗性誘導現象 (ファイトアレキシン)」

モリブデンは硝酸還元酵素の触媒として働き、鉄、マンガン、亜鉛、銅等の金属は各種酵素反応の触媒として働きます。

ミネラル欠乏症の判断として、「移動性元素」と「亭滞性元素」の移動特性によって判断すると分かりやすいです。

「移動性元素」

窒素やりん酸、加里、マグネシウム、硫黄等の植物体内を移動しやすい元素は生長点に運ばれていく為、欠乏症は古葉から黄変します。マグネシウム欠乏は古葉の葉脈が緑で、白黄色に変色します。

「亭滞性元素」 

カルシウムやホウ素、鉄、マンガン、亜鉛などの移動しにくい元素は動きにくい為、欠乏症は生長点、新葉から黄変します。鉄、マンガン、亜鉛欠乏は新葉の葉脈が緑で、白黄色に変色します。芯腐れはカルシウム、ホウ素欠乏症で、ヒビ、コルク、尻腐れなどもホウ素欠乏が関係しています。

2.要素相互作用

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