野菜が糖尿病をひきおこす!?
『野菜が糖尿病をひきおこす!?』という農家にとってショッキングな書籍があります。
「野菜が糖尿病をひきおこす!?」宝島社新書 著者河野武平氏
野菜を食べることは生活習慣病の改善に効果的であると医者やマスコミも強調しています。しかし、栽培方法を間違うと硝酸態窒素が多くなり、
この硝酸態窒素が「糖尿病」を始めとして、「慢性透析疾患」「腎臓・すい臓疾患」「アトピー性皮膚炎」「癌」「胃炎」「甲状腺疾患」「肝臓結石」「リウマチ」「痛風」「膠原病」「アルツハイマー病」など、あらゆる成人病の根本原因であると著書は警告しています。
過去には、硝酸塩を体内に取り入れたための死亡事故がおきております。裏ごししたホウレン草を離乳食として与えたところ、30分後に278人の赤ん坊が中毒となり、39名が死亡した『ブルーベイビー事件 (アメリカ.1956年) 』は全世界に衝撃を与えました。
硝酸塩が血液に入るとヘモグロビンの鉄分を酸化させ、酸素が運べなくなり、酸欠状態を引き起こします。特に硝酸還元菌を殺す胃液が充分に分泌されない乳幼児には、たいへん危険な状態となります。また、体内に取り込まれた硝酸塩は、消化器官のPHの影響を受けて亜硝酸に還元され、二級アミンと結合し、「ニトロソロアミン」(強力な発ガン物質)を生成します。中毒値に達したニトロソロアミンは、遊離基を放出し、すい臓にあるベータ細胞を傷つけてインシュリン生成を妨害します。インシュリンの生成が不足すると、血液中の血糖値が高くなり、「インシュリン依存糖尿病」を引き起こします。(米国コロラド大学保健センターのコストラバ博士)
現在の農作物は残留農薬だけでなく、硝酸態窒素 (未消化窒素)に多くの問題があります。残留農薬は急性毒性ではありませんが、硝酸態窒素は高濃度では死に至る急性毒性で、残留農薬より深刻かもしれません。実際にチンゲン菜や小松菜に16,000ppmという異常な濃度の野菜も市販されているとのことです。16,000ppmという数値は、150gの摂取で中毒を起こし、250gで世界保健機構WHOが定める硝酸塩の単独致死量「4g」に達してしまいます。まさに『殺人野菜』と言っても過言ではありません。16,000ppmは特別に異常としても、5,000~6,000ppmの硝酸濃度は有機野菜でも当たり前のように存在し、50~60gで健康な人の硝酸摂取限界値を超えてしまいます。化学肥料の施用は硝酸態窒素を多くしますが、安全でおいしい農作物を作っているつもりの有機栽培でも、知識不足で方法を間違えれば、人々の健康を損なう野菜を作っているケースがよく見受けられます。
それもそのはずで、問題点が明らかになっているにもかかわらず、日本国としては何の対策も採られていなく、その問題点を隠しているのが現状です。葉菜類の硝酸イオン濃度を下げることがとても難しいからです。
この問題は野菜など農産物だけでなく、肥料や畜産廃棄物(糞尿)による地下水の硝酸塩汚染も深刻で、ハウス園芸地帯や、大型畜産団地の場所と、糖尿病などの疾病の発生場所が一致しています。では、どんな作物に、どんな栽培方法が硝酸態窒素を多くしてしまうのか、どのような点に注意して栽培すべきでしょうか?
硝酸態窒素を多くしてしまう栽培
トマト、ナスビ、キュウリなど果菜類では、実へは硝酸態窒素は移行しにくく、茎葉にたまる傾向があります。葉を食べるチンゲン菜、小松菜などの葉菜類が問題です。肥料は硝酸化成する化学肥料は問題であることは言うまでもありません。硝酸態窒素入りの化学肥料は無知にもほどがあります。また特に、ハウスで追肥として施用される液体肥料は、化学肥料・有機質肥料に問わず野菜の硝酸態窒素を瞬時に大幅に増やしてしまいます。
有機質肥料としても、菜種油粕などの遺伝子組換肥料や、畜産廃棄物 (糞尿)は、飼料が遺伝子組換のため、腐敗分解を引き起こし、硝酸態窒素を多く発源します。もはや、畜産とリンクした有機栽培は安全とはいえません。また、夏場のハウス栽培での葉野菜は生育が早く、硝酸態窒素がタンパク質に消化することが間に合わなく、どうしても硝酸態窒素が多くなります。注意が必要です。例え有機栽培であっても、硝酸イオンを多く含んだ物となってしまいます。これらは硝酸態窒素を消化する特別な対策を採らなければ、減らすことはできないのです。