資源循環に気をつけて
現在は、資源循環の旗印のもとで、なんでもかんでも畑で廃棄物処理をしようとする傾向が見受けられます。たしかに、有機質肥料は資源の再利用が多く、昔から有用なものに限って、専門的に責任を持った形で、肥料化が行われてきました。現在は、畑の事情を全く抜きにして、素人的な発想で無責任に、廃棄物的に、安易に肥料化されていることが目に付きます。その安全性は確保されているのでしょうか?
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生ゴミなども、現在は食品添加物や残留農薬の問題、窒素過多による腐敗特性があり、安全であるとは決して言えません。昔は畜産堆肥など、循環事例がありましたが、現在はその環境が変わっていることを知らなければなりません。
有機質肥料を愛し、畑を愛し、農業を愛し、安全・安心・おいしい、健康に役立つ農業を目指すわたしたちにとっては、どうも畑をゴミ箱にされているような気がしてなりません。残念ながら、現在の堆肥や肥料はこの傾向が強くあります。堆肥や肥料は、根本的な土を作るものなので、ここを間違えれば、土づくりはもちろん、良い農産物ができるのは難しいでしょう。安全で、おいしく、健康に役立つ農産物を目指すならば、使用する資材は厳しくチェックしていかなければなりません。
弊社では、安全を確保した肥料資材の研究開発を行っています。「土づくり」はとても大切で、病害虫の軽減や、肥料効果も高まり、農作物の安全やおいしさ、エネルギー量などの品質も向上します。ぜひ、良い資材で良い農産物ができる土を作ることを心がけてください。
保存実験(炊米)
各農法のお米を炊いたあと、密閉容器にて約1年間保存した結果です。
- 化学肥料・農薬を使用した米は、黄色く変色し、刺激臭がありました。
- 鶏糞を使用した米は、糞便のように黒く変色し、糞そのものの臭いでした。
- 自然農法(ボカシ・稲わら・有用微生物)の米は、白く原型を留めており、甘酒のような香りでした。
「3.自然農法」が良いということになりますが、注意しなければならないのは、「2.有機農法」のものは「3.化学農法」より黒く変色し、より悪い状況が伺えます。この場合は、遺伝子組み換え飼料での飼育された鶏糞なので影響したものと思います。
有機農業、有機肥料といっても、良い肥料もありますが、遺伝子組換肥料(鶏糞・牛糞・菜種)、汚泥肥料・・・など有害なものもあります。有機農業だから良いということにはなりません。自然農法も有用微生物を用いたとしても畜糞(遺伝子組換)や汚泥などの肥料を使用すれば、できた農産物は腐敗し、健康を損なう農産物になってしまうでしょう。
有機農業は「有機推進法」が制定され、飛躍が期待されています。しかし、ここを間違えれば、安全でおいしい農作物はできなく、消費者の支持を得ることは難しいでしょう。有機肥料資材も充分に吟味し、健康に役立つ安全でおいしい農作物の生産こそが、農業の役割と発展への方向と考えます。ご一緒に良い農産物を作っていければと思います。
参考図書「本当は危ない有機野菜」
「本当は危ない有機野菜」松下一郎/著 徳間書店 エコ農業のウソを告発するの会/著
食の安全が揺らいでいる今、有機野菜などの自然農法が注目を浴びている。少々値段は張るものの、無農薬で安心できるという理由から、有機野菜を選ぶ家庭も増えている。
しかし「有機農業」「リサイクル」の美名のもと、非常に多くのデタラメが横行し、さまざまな実害が有機作物や周囲の環境に起きている。作物に広がる毒性カビの繁殖、水質汚染が深刻化、安易な有機栽培による化学物質汚染、薬剤耐性菌の繁殖、さらには下水処理場由来の汚泥リサイクル肥料による水銀被害・・・。こうした有機野菜の栽培、摂取を続けることで、水が汚染され、日本人の体が蝕まれ、O157やサルモネラ菌、鳥インフルエンザなどの恐ろしい感染症を引き起こす! 食の安全の意識が高まっているいま、話題騒然の必読書!本物の有機肥料を見極め、安全でおいしい野菜を作って行きましょう。