畜産堆肥の抗生物質・畜産薬品の問題点
牛糞堆肥、豚糞堆肥、鶏糞肥料等における問題点の一つに、抗生物質・畜産薬品があります。
現在の畜産は生産効率が優先されているため、抗生物質や畜産薬品を多く使用しています。病院で治療のための抗生物質が効かないほど、私たちは食肉などから抗生物質を知らないうちに接種していることが知られました。
抗生物質は基本的に微生物や小動物を死滅させます。堆肥は土壌中の微生物を活性化し、ミミズなどの腐生性生物を増やし、生命力のある土を作ることが目的ですが、抗生物質や薬品はその目的と全く逆の働きをします。
畜糞堆肥自体の腐熟も進まず、畑の土壌にも抗生物質が入り込み、畑の土を知らないうちに生命力のない物へと荒廃させていきます。
また、知らないうちに、それらの毒素が含まれた農作物が生産されていくわけです。抗生物質に耐性をつけた、酸化型の腐敗菌や病原菌を増やす結果となっています。
腐生性と寄生性
堆肥など有機物を施用すれば、それを分解しエサとする微生物や生物、小動物が繁殖します。これらが腐生性の生き物で、植物に養分を供給するなど植物と共生する生物です。
寄生性の生物は植物に寄生する病原菌や害虫などです。堆肥などを施用して腐生性生物を増やし、寄生性生物の繁殖を減らすようバランスを取ることが大切です。