対談「みどりの食糧システム戦略」をもっと早く、もっと大きくするために!
司会:天野礼子氏(NPO「日本に健全な森をつくり直す委員会」事務局長)
対談者:安保英樹(「大和肥料株式会社」代表取締役/「健康農産技術研究所」代表)
「テープ起こし」協力(NPO 「日本に健全な森をつくり直す委員会」 田中圭祐氏
天野礼子
2021年5月に農林水産省が「みどりの食料システム戦略」(以下、「みどり戦略」)を発表しました。
その1年前には、EUが「農場から食卓まで(farm to fork)戦略」に、「2030年までに有機農業の取り組み面積を25%に拡大する」と書きましたが、日本の「みどり戦略」には「2050年までに有機農業の取り組み面積を25%(100万ha)に拡大することを目指す」と書いてあります。今般のドイツ新政権は、「2030年までに有機農業面積30%を達成する」と打ち出しました。
これらを初めて聞いた時、安保さんはどう考えましたか?
安保英樹
「有機農業を進めていこう」という意味で、農水省と私たちは、2006年以降からの方向性がようやく“一致”したと思いました。近年までの政権では、“方向性が真逆”だったので、農業の先行きに不安を感じていました。しかし、今回初めて聞いた時は、“寝耳に水”という感じでしたが、正直、嬉しかったです。ただ、「2050年」となれば、先の長い話なので、誰がそれに責任を持てるのかと感じたのも事実ですが、たとえ遠い未来であっても、ビジョンを持つことはとても大事だと思います。目標より早く実現することはいい事ですから、これをチャンスにして、農家さんと一緒に頑張りたいと思っています。
天野
私は、自分の著書「有機な人びと~おいしく安全な食を求めて~(2010年刊)」の中で「2008年を有機元年と呼ぼう!」と書きました。それは、2006年に「有機農業推進法」が成立し、4億6000万円の国家予算が付いたからでした。その2007年の農林水産省のコメントには、「不適切な農薬の使用などが“生物の多様性”に負の影響を与えた。」ということが明記され、国が初めて「農薬の害」を正式に認めたのです。安保さんは、民主政権時代の農水大臣であった山田正彦さんを尊敬されていましたよね。
当時は民主党政権で、今回の「みどり戦略」と同じ「10/10の補助金を、年間1000万円で3年間支給」という話があったのです。ところが、政権が自民党に交代したら、その補助金は取りやめになりました。アメリカから農薬を買って、それを農家に売りたい人々たちがいたからでしょう。
私は、「ゴールを2050年に設定した」のは、よくないと思っています。これを作った官僚たちも私たちも生きていないし、2030年~2040年代には、日本全国が「地震の活断層活動期」に入ると言われています。安保さんも入会している私たち(NPO「日本に健全な森をつくり直す委員会」)は、それまでに“無農薬の仕組み”を作っておく必要があると考えています。今でこそ、有機農法で作った野菜を宅配便などでやり取りできますが、地震の活動期にはそれもできなくなるでしょう。安保さんは「有機農業をもっと大きく、早く、広げていく」ためにできることを、何か考えておられますか?
安保
地震も心配ですが、今は農業自体が弱ってきています。和歌山のミカン農家や、京都府のコメ農家も、高齢化や離農者が増えています。昭和35年から有機酢づくりのための有機米を栽培されてきた方々もいましたが、今では当時の5分の1程度に減ってしまいました。このような状況は全国で見られます。そういう意味で、早く流れを作らないと「日本から食べ物が無くなるのではないか」と日々感じています。
私たちは、食べ物をつくっています。食べ物は「美味しく」ないといけないし、幸せな気分になって、元気になるようなものを作っていかなければならないのですが、今の農業は、化学肥料、農薬をいっぱい使って、ネオニコチノイド系農薬の影響で発達障害やガンも増えているというデータもあります。
肥料の仕事に携わりながら、周りの人たちが癌で亡くなっていく姿を見て、農業にも責任があると感じています。「みんなが健康になるような産業」にしないと、農業の発展はなくなると思います。
そのような中で有機の農家は、利益だけを求めるのでなく、自分の生き方として、自分のポリシーとして、「安全で美味しいものをつくるのだ」という信念でやっておられます。
このような考え方が根本になければ、農業もダメですよ。
私自身が取り組んでいることは、農家の皆さんが良い作物が作れる具体的な技術、資材を作り出し、そしてそれを広めることです。さらに、美味しくできたものを消費者が評価して購入できるようにすること。生産農家は消費者のことを想い農作物を生産し、消費者は生産農家に感謝して支えるというように、みんなが意識して繋がり、支え合わないと健康や幸せが成り立たないと思っています。でも、今の流通では、「見かけだけは良くして、売れさえすればいい」という、変な感じになってしまっていました。
そのためには、いろいろな技術もそうですが、農産物の流通や販売などを消費者に理解してもらうこと、有機作物をPRしていくということも大事だと思い、イベントも開催できるような「ギャラリー」を会社の中に早く完成させて、有機農産物の「啓蒙活動」を広げていくことに、今は取り組みます。
天野
本年6月に予定している、農水省から「みどり戦略」の担当責任者である大臣官房 環境バイオマス政策課長(みどりの食料システム戦略 事務局)である秋葉一彦さんや「日本オ-ガニック会議 代表理事」の千葉康伸さんらを招いての【有機のイベント】には、そのギャラリーは完成しているのですね。
1月14日(金)に、私たち(安保英樹・千葉康伸・川田肇・今井隆・天野)は、農水省の秋葉課長「大臣官房 環境バイオマス政策課長」や佐藤夏人課長「農林水産省 農産局 農業環境対策課」、嶋田光雄(有機農業推進班)課長補佐「農産局 農業環境対策課」、小宮英稔持続有機農業推進チ-ム長「農産局 農業環境対策課」らと会議をしましたよね。
その時に、株式会社「龍の瞳」の今井代表は、「今の世界では、食料がいつ止まってしまうかもわからない状況だと知らずに過ごしている人が沢山いる」「日本で生産されるコメも作物も不味くなっており、栄養価が年々低くなっている」と、安保さんと同じことを話していましたね。
高齢化と離農者問題に加えて、「今の化学肥料を使ったやり方では、栄養価が低くなる」ということも言っていました。今井さんは、元・農水省の役人ですよ。
安保さんは、ずっと“有機”をやってこられたのだと思うのですが、「大和肥料」は創業されてからどれくらいになるのですか?
安保
現在の「大和肥料」になってから、今年で70年になりますが、祖父が始めた「安保春夫商店」からだと100年くらいになります。化学肥料は、明治時代からあって、戦後まもなく大きく広がっていったのですが、なぜか祖父や父はずっと“有機”を選んでやってきました。
天野
安保さんには3人の娘さんがおられて、「大和肥料」の有機肥料を使って、コメや野菜などを作っている全国の農家さんから届けられる農産物を販売しているマルシェ「ハレバレ」でも、お手伝いをされているので、今では4代目ということになりますね。ところで、大和肥料さんの肥料のクライアントはどんな方々なのでしょうか?
安保
青森から鹿児島まで全国の販売店や農家様たちです。中には北海道、沖縄などにも肥料を発送しています。特に農家様は有機栽培の方が多いです。
昔は「有機配合肥料」というジャンルの肥料だけを作り、農協さんや販売店さんに「卸売」をしていました。自分で企画して作り上げた肥料を使用して「こんなにおいしい作物ができた」とスイカやナスをいただき、褒められた経験がありました。持ち帰って食べたところとてもおいしかったので、もっとおいしい物を作ろうと、肥料の仕事に没頭していきました。微生物や電子農法やいろいろな勉強をしてきました。
その中で試行錯誤しながら「土壌改良材」「培養土」や「発酵肥料」や「液肥」などをいろんな資材を作ってきました。ところが、だんだん世の中が世知辛くなってきて、中身よりも価格が重視されるようになってきました。価格競争が厳しくなり、中身に満足がいかない製品になっていきました。おいしい農作物を作れる良い肥料を開発することに取り組んできた私には、そんな流れは受け入れられませんでした。
それでは農業がだめになってしまうと、10年くらいかけて販売店さんに安全でおいしい農業を進めようと説得して全国を歩きました。しかし、中々取り組んでくれませんでした。それもそのはずで、有機に取り組む農家は地域で1人か2人くらいでしかいないからです。それなら、有機栽培に限っては農家さんに直接販売していこうと考え、地域の1人か2人くらいの有機栽培の農家さんを尋ねて歩くことを続けてきました。
私と同じようなお考えの農家さんが結構たくさんいることが分かり、有機栽培の農家さんたちのお付き合いが広がっていきました。そうやってできた作物は自分にとっては、宝物、宝石みたいなものです。
「いつか食べ物がなくなる時期がくるのではないか」「品質はどこまで悪くなるのか」という不安感はどんどん増しています。
日本は、肥料原料のほとんどを中国に依存していますが、中国は石炭問題で工場が稼働できなくなり、自国を優先とのことで日本への輸出を禁止し現在も止まったままです。それで各社肥料メーカーは化学肥料原料がなくなったので、有機肥料原料でも世界中で取り合いとなっており、価格もどんどん高騰しています。
安倍政権時代には、「種子法の廃止」や「競争強化法」で化学肥料(高度化成)を業界再編成してコストを下げ、農薬を規制緩和するなど逆風が長く続いていました。
私はインドネシアに合弁で有機肥料工場を作りました。「日本の有機農業の技術を教えてほしい」と言われ、世界中に行きましたが、シンガポールに行っても、香港や上海に行っても、マレーシアに行っても、“有機”を要望していて、どこに行っても「自分たちで食糧を確保する」という農業に対して熱心さを感じていました。
しかし、日本は「減反政策」とかで「一体何をやっているのだろう」「なぜ、こうならないのだろう」とずっと思っていましたが、今回の「みどり戦略」で、ようやく同じ方向性が確認できて、嬉しいです。
天野
日本では他のことでも「失われた30年」と言われていますね。安保さんがそのように外国で活動されていることを一般紙はもちろん、「農業新聞」にも書いていないですよね。おかしいです、日本は。
私たちが養老孟司先生と一緒に活動している「NPO日本に健全な森をつくり直す委員会」に、安保さんも「委員」になっており、さっき言った1月14日(金)に農水省の有機の課長らと会議に、私共の「委員」ではないですが、安田節子先生(「いのちの講座」筆者で、「ビジョン21」事務局長)が、農水省にいくつか提案されました。
①「特別栽培」という言葉をやめてほしい。②「学校給食への導入」。③「自給率の向上」も考えてほしい。④「種」の問題も大事で、「種」と「技術」と「知識」をもった人を「有機農業の普及委員」として全国に配置してほしい、など。 これらについて、安保さんの意見も聞かせてください。
安保
「自給率」も「種」もそうですが、自分たちの食糧について、もう一度みんなが考え直さないといけないと思います。学校給食に“有機”を導入することは勿論大切ですが、それだけでなく「学校の授業」でも。
「有機農業」を取り扱うようになればと思いますし、農水省さんも「農業」や「肥料」について正面から向き合っていただきたいと思います。「ゲノム編集」についてもいろいろと議論があると思いますが、「自分たちの身体をつくる“食”に対してきちんと向き合う教育」を作っていくことも大事だと思っています。
天野
全国の農業高校や農学部のある大学などでは、“有機”を教えている教師も沢山いるのですから、そういう、「種」や「技術」や「知識」を持つ人たちを全国の都道府県で「有機農業の普及員」にしないのだろうかと思います。農業の普及員は各県にいると思いますが、島根県の普及員は、山下一穂さんのやり方を勉強して教えていたのです。
今回の「みどり戦略」にも、農水省は「年間1000万円の補助金(10/10支援「全額支給」)×3年間」などについて詳しく書かれていますよね。地域ぐるみで有機農業に取り組む市町村等の取組を推進するため、有機農業の団地化や学校給食等での利用など、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみな らず事業者や地域内外の住民を巻きこんで推進する取組の試行や体制づくりについて、物流の効率化や販路拡大等の取組と一体的に支援し、有機農業推進のモデル的先進地区を創出するとあり、有機農業推進のモデル的先進地区(オ-ガニックビレッジ)に補助するとあります。
こういうことを農業従事者だけではなく、「大和肥料」さんのマルシェ「ハレバレ」を利用する若いお母さんなどの消費者にも、「みどり戦略」が早く伝わらないといけないと思うのです。
安保
その通りです。農家だけで頑張るのは限界があるし、農業者も、消費者も、社会全体で、食糧について知ることをしないと「農業は変われない」と思います。農業の現状を知り、皆で考えることが大切です。
今までできなかったことが可能になり、挑戦できるチャンスなので、全国各地でこのような無取り組みが進んでほしいと思います。
天野
本年になって「大和肥料」さんのすぐ近くに「尼崎市の給食センター」ができたこともあり、“有機給食”への働きかけについて、市長にすぐに話をした方がいいと思いますよ。6月の【有機のイベント】に尼崎市長も招いて、「農水省」の秋葉課長と「日本オ-ガニック会議」の千葉さんと一緒に、パネラーになってもらいましょう。
農水省は、「みどり戦略」の中で、「モデル的先進地区(オーガニックビレッジ)をたくさん作りたい」と言っていましたが安保さんは、どう見ていますか。
安保
2006年の「有機農業推進法」の時にも「モデル地区事業」というものがあって、京都府の美山町が有機無農薬の水稲栽培で「こつぶっこ」を使用して採択されましたが、事業としては継続されておらず、広がるようなシステムにはなっていませんでした。
弊社は全国に真摯に有機栽培に取り組む優れた生産農家さんたちとお付き合いをさせていただいています。そのような農家さんが中心になって、協力者を募り、広げていければと思います。周りの農家さんが“有機”をやりたいということが大事だと思います。
天野
島根県は、「モデル地区推進事業」に4つの市町村からエントリーすることが決まっています。このような補助金事業(10/10支援で、年間1000万円が、3年間)があるということを、大和肥料さんと取引関係にある農家の皆さんは、ご存じないのではないですか?
安保
まだ知らないと思います。学校給食をきっかけに有機を取り入れて行くことも良いと思います。京丹後市の梅本修さんと言う方は、「地場野菜を給食に取り入れよう」と、周りの農家さんと一緒に市長さんに話をされた結果、給食での採用が決まったという事例もあります。
天野
梅本さんのその時は、「有機でなくても地場の野菜を給食に取り入れよう」ということだったのですが、今度は、それを「有機の野菜を給食に導入できる」ように「みどり戦略」の10/10支援の補助金も使いながら、尼崎市長さんに農家さんと一緒にお話しをされたらどうですか。
私の友人で亡くなった山下一穂さんの「畑まるごと堆肥化」というやり方であれば、「本当に“おいしく”て、“きれい”で、“安全”な」作物ができると思います。安保さんは「畑まるごと堆肥化」どう思いますか?
安保
山下さんのやり方は、「緑肥(りょくひ)」と言い種をまいて土づくりに活かす方法です。育った草を堆肥の代わりに畑に鋤きこみ、窒素や炭素を畑に供給します。緑肥を鋤きこむことで土の中の微生物による分解や合成が始まります。有機質肥料、特に有機質発酵肥料も同じで、微生物が繁殖して活動することで、「アミノ酸」、「酵素」「補酵素」や「ビタミン」「ホルモン」やミネラルの錯体化、キレ-ト化など生物にとって機能的な物質を作り出します。微生物の生命活動が植物を健康に育てる基盤をつくります。
畑の微生物と人間の腸の微生物は同じと言われており、祖先から農作物を食べることによって、腸に微生物を取り入れてきました。
土の微生物は1g当り100~1000億匹程度生息していると言われており、例えば酵素は微生物一つに100ぐらい含まれているとのことです。酵素は生体反応のすべてを動かすものです。微生物が作り出している物は、動物や人間やの健康を作るもので、あらゆる生命を活性化するものです。
いわば「生命の塊」、「エネルギー」をいただく訳ですから、植物も人間も元気になるわけです。
我々人間も動植物も、海や山の自然の食べ物は、全てこのような自然の生態系、食物連鎖に組み込まれた物です。畑土の健康が人間の健康をもたらせます。今の農業は化学肥料や農薬の使いすぎで、土の健康が保たれなくなっています。
「緑肥」については、作り育て、分解するまで時間がかかるという問題もありますが、窒素と炭素のバランスも取れ、微生物による生態系が作られ、微生物により機能的な物質が作られ、「理に適った」方法の一つです。
天野
昔の「有機野菜」といえば、おいしくないし、穴があいていたり、曲がっていたりして、マーケットに置けないというものが多かったのですが、山下一穂さんの野菜は、きれいで、おいしくて、安全だったので、私の著書「有機な人びと」の中に書いたのです。
ところが、“有機”と聞くとあまり考えずに、糞尿を使えばいいということで牛や馬のフンをそのまま撒いているという農家もあって、今の飼料は病気にならないようにいろいろな薬が配合されていたりして、それで“窒素過多”になったりすることもあります。外国では、赤ちゃんが突然死をする「ブルーベビー症候群」という問題もありましたよね。有機を進めていくということは、そういう事を考えたり、教えたりしていくことも非常に大切だと思います。
安保
畜糞はコストがかからないという風に思っている方もおられるけれど、今はウシもブタもニワトリも“抗生物質” “薬”の問題もありますし、遺伝子組み換え飼料の問題があります。元々、馬尿酸態窒素などを含んだもので、腐敗分解の体質であり、窒素過多となり病害被害が多くなります。EUなどは遺伝子組み換えに対して否定的です。昔にオランダに肥料の研修に行った時に、研修先の博士から遺伝子組み換えのことを厳しく注意されました。遺伝子組み換えは合成や分解がうまくいかなく、ラットの試験でがんの発生リストなど知らされています。(フランス カン大学)
畜糞は腐敗分解してアンモニア、硝酸態窒素を発生いたします。硝酸態窒素は畜産公害で地下水汚染したり、アメリカでほうれん草を食べさせて赤ちゃんが大勢亡くなられたことがありました。「ブル-ベビー症候群」 牛糞で育てた牧草を牛に食べさせて、毎年牛が硝酸態窒素の害で死んでいます。
硝酸はニトロで爆弾の原料であり、強烈に酸化が起こります。血液の中の鉄が硝酸によって錆びて、酸素を運べなくなり酸欠死します。
畑も酸化で錆びており、作物が鉄分を吸収できなく、昔の野菜と比較して鉄分も大きく減少しています。畜糞は有機 ? なのかもしれませんが、中身は腐敗分解して硝酸の害を引き起こす物で、化学肥料と変わらないと思います。未消化な硝酸窒素が農作物に残ってしまい窒素過多となり、虫の被害を受け、まずく、健康を害する野菜となってしまいます。
畑土の微生物は人の腸の微生物と同じで、有用な微生物が活動し、清浄で健康でなくてはなりません。
私が、一番危惧していることは、やはり「農業が衰退してしまっている」ということです。高齢化が深刻です。若い就農者も増えていますが、全体で見れば問題が大きいです。こういう現実を直視した上で、50年先、100年先を見据えた対策を考える必要があると思っています。この機会に食べ物を海外に頼ってきた日本の農政を見直す必要があると思います。肥料も飼料も食品加工の原料もエネルギ-も殆ど外国に頼っている状況で、これから自分たちの食べ物がどうなっていくのか、みんなで考える仕組みを組み立てていかなければならないと思います。