5.秋処理
水田抑草のポイントは土づくりにあり!
有機物や微生物が多く繁殖した土が、抑草対策時の水田の濁りを持続させ、成功を導きます。
ポイント① 荒く鋤き込む
水田雑草は長い歴史の中で稲と共棲関係になって生きてきました。特にコナギは藁や稲株が分解するときに発生する成分によって発芽します。春に藁や稲株の分解が進めばコナギだらけになってしまいます。春までに土づくりを兼ねて分解をすすめれば、コナギの発生を抑制することが出来ます。
ポイント② 寒くなる前に行う
気温が高いと微生物の活動も活発なため、稲わらの分解が促進されます。 気温の高い10月までに行うのが理想 。
ポイント③ 「窒素」と「分解微生物」の投入
有機物分解するときに必ず窒素が使われます。分解特性の強いバチルス菌で発酵させた「PSBT発酵粒状油粕(粒状)N8-P3-K1」40kg~60kg / 10aを施用し、窒素と分解微生物を同時に補給。施用後に稲藁・稲株を同時に耕起し、春までに稲藁の分解を図る。バチルス菌が稲株や藁の分解を促進します。
ポイント④ 2回鋤き込み
雨が降ると、程良い水分状態 (50%) と空気で分解を促進します。細かく耕起すると土の粒子が小さくなり通気性が悪くなるので、粗めに鋤き込み、適度な大きさの土の塊を作る様にします。稲株・稲藁を完全に分解する為には、期間を空けて2回鋤き込むのが理想です。
6、銀メッキ棒による水田ガス沸きチェック
銀メッキ棒を水田に刺しておくと、硫化水素と反応して、黒く変色します。そのことによって硫化水素と雑草の関係を調べてみました。
A、雑草が繁茂していた圃場
全体的に黒く変色しており、深層まで 硫化水素が発生しています。 稲は根の活着が遅れ、養分を利用できなく、その養分は雑草を育てる結果に!!
B、雑草と稲が同程度生長してた圃場
Aより硫化水素の発生は少ないが、全体的に発生しており、雑草も稲も育てる結果に!!
C、雑草が少ない圃場
こつぶっこの還元状態により、土の表層部分だけが黒く、全体的には変色が少ない。稲の根が張る部分には硫化水素が少なく、根を張ることができ、土の表層は黒く変色しており、硫化水素のある還元状態で、雑草は根を下ろせなく、稲の成育が旺盛になった圃場。
■ガス沸きない土づくりとこつぶっこの表層施用が理想的!
- 春に肥料を土中に入れなく、「こつぶっこ」の表層施用で表層のみを還元状態として、抑草対策するのか理想。
- 土づくりは秋に行い、春までに土に消化させる。根をしっかり張ることが生育を旺盛にし、品質収量を向上させるポイント。
- 春に有機物を田んぼにすき込むとガス沸き(硫化水素の発生)があり、稲の成育に悪影響を与える。
- ガス沸きを少なくし、根をしっかり張ることが稲の生育や品質収量の向上に役立つ。
7、ガス沸き、藻の発生時の対策
(1) ガス沸きを少なくし、根をしっかり張ることが稲の生育や品質収量の向上に役立つ。
湿田などガス沸きの見られる圃場は【畑の鉄人】20kg/10a(有機JAS自信度◎)を施用する。鉄成分は根に影響を与える硫化水素やアンモニアを硫化鉄や硫酸アンモニアに変え、酸素を土に取り込みますので、根がしっかりはれる土を作ります。
(2)藻発生時の対策
田植え後の水田のアオミドロなどの発生で、稲苗を倒すなど、問題のある場合は「畑の鉄人(粉or粒)」 (有機JAS自信度◎) の施用する。アオミドロに施用すれば、直ちに消えてなくなる。しかし、「こつぶっこ」のが作った強還元層も分解されます。ご注意いただき、ご利用ください。
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